第10回サルコーマセミナー開催

NPO法人キュアサルコーマが共催するサルコーマセミナーのプログラムが、
主催する一般社団法人キュアサルコーマセンターのホームページに
掲載されました。

http://curesarcoma-center.org/index.html

日時:2015年(平成27年)2月26日(木) 10:00-18:00
場所:持田製薬(株)本社 ルークホール
    東京都新宿区四谷1−7
    JR四ツ谷駅四谷口、地下鉄丸ノ内線四ツ谷駅赤坂口、
    東京メトロ南北線四ツ谷駅2番出口

10:00 開会の挨拶 寺岡 慧(国際医療福祉大学理事)
    肉腫医療の日米国際協力と日本肉腫学会(JSA)の創設

局所制御治療 –病態制御の最前線 座長;大野烈士、楢原啓之
10:15 肺悪性腫瘍の凍結治療 
    野守 裕明(亀田総合病院呼吸器外科顧問)
11:00 肝臓転移腫瘍のラジオ波治療 
    小池 幸宏(関東中央病院消化器内科部長)

12:00 ランチ(スクワール麹町2F「アピアン」)
13:30 平滑筋肉腫の病態と治療 –全遺伝子解析から創薬へ 座長;山村倫子
    高橋 克仁(大阪府立成人病センター病態生理学部長)

外科的治療 –診療指針の作成に向けて 座長;小池幸宏
14:00 胸腹部後腹膜再発転移肉腫の外科的治療
    大野 烈士(淵野辺総合病院外科部長)、波多江 亮
    (新山手病院消化器科外科)、 矢嶋 淳(国際医療福祉大学
    熱海病院移植外科) 、寺岡 慧(国際医療福祉大学)
15:00 休憩

薬物治療 -探索から実証へ 座長;寺岡 慧、高橋克仁
15:30 パゾパニブ分子標的薬治療の新展開
    楢原 啓之(兵庫県立西宮病院腫瘍内科部長)
16:30 新規肉腫治療薬の日米国際臨床試験に向けて
    小山 隆文、大山 優(亀田総合病院腫瘍内科部長代理、部長)

18:00 夕食会・情報交換会
    スクワール麹町3F「華」
    夕食会参加費お一人様5000円

医療者、肉腫の患者さん、ご家族、企業関係者の皆様が対象です。
参加ご希望の方は2月24日(火)までに事前登録が必要です。

肉腫の患者さん、ご家族、企業所属のご参加を希望される方は、
キュアサルコーマセンターの2014年度の会員登録が必要です。
会員登録は、こちらにメールでお問い合わせ下さい。

curesarcoma-c@smtrc.org

NPO法人キュアサルコーマ  理事長 大西 啓之

日米インターナショナル・サルコーマ・ワークショップに参加して

報告文

 12月4日、5日とハワイ・ホノルルで開催された「肉腫の研究と治療に対する日米国際ワークショップ」に、成人軟部肉腫患者と家族の会、NPO法人キュアサルコーマから私を含め5名が参加いたしました。日本肉腫学会のキックオフを兼ねていることもあり、今後の期待が膨らむスタートでした。

日頃、日本でお世話になっている先生たちの英語によるプレゼンテーションは、非常に新鮮に感じました。軟部肉腫の骨転移におけるパゾパニブとデノスマブのコンビネーション治療や凍結療法の話なども今回初めて聞かせていただきました。

アメリカのDr.Brohlによるユーイング肉腫の全ゲノム解析は、今まで聞いたことがなかった分野だけに非常に難解でした。アメリカでは、平滑筋肉腫よりも脂肪肉腫の方が、患者数が多かったり、日本の粒子線治療が進んでいることだったり、日米の違いも随所に感じられました。

日本の高橋先生たちのグループの方が、患者が集中しているので、それぞれの発表の治療の症例数が多く、外科治療、局所治療だけでなく、保険適用となったパゾパニブに関しても、アメリカの先生の報告と比較してみても遜色ない結果が得られていると実感できました。ただ、アメリカの治療方法も相対的には、日本と状況はあまり変わらないような印象を受けましたが、化学療法に関しては、いろいろな臨床治験がなされていました。

今後、このような肉腫の研究と治療についての国際間での議論を深めていただき、患者にとってベストな治療法が確立されていくことを熱望しています。私たち患者会も、肉腫治療の発展に寄与できるよう今後も活動していく所存です。 

2014年12月21日

NPO法人キュアサルコーマ

理事長 大西 啓之

◆キュアサルコーマ活動紹介ポスターセッション資料
curesarcoma_poster20141204

Y.Mさん 平滑筋肉腫患者 女性 東京都(投稿2014年10月)

★病歴・治療歴

 

2006年10月 下腹部に鈍痛が続き、地元の婦人科を受診。子宮筋腫、内部で出血との診断。

 

2007年4月末 地元病院にて子宮全摘手術。病理で悪性、平滑筋肉腫(子宮肉腫)との診断。
          慶應病院婦人科を紹介され転院。

同年5月 慶應病院婦人科にて卵巣・リンパ摘出手術。ステージ1-3との診断。

同年7月~11月 IAP 療法(Ifosfamide,Adriamycin,Cisplatin)を計6回受ける。
            いったん治療は終了。半年ごとのCTで経過観察。

 

2009年10月 右肺に転移がみつかる。

同年11月 大阪成人病センター・高橋先生にメールで相談。

同年12月末 慶應病院呼吸器外科にて肺部分切除手術。→高橋先生に解析依頼。

 

2010年6月 右肺に転移見つかる。

同年9月 慶應病院呼吸器外科にて肺部分切除手術。

 

2011年4月 慶應でのCT検査で右肺グレーの診断。

同年5月 岡山大学病院・呼吸器外科にて肺部分切除手術。

同年7月 東京での経過観察を関東中央病院・外科にお願いする。

同年9月 関東中央病院・消化器内科にて肝臓ラジオ波治療。

 

2013年1月 胸椎と左肺に転移がみつかる。

同年1月〜2月 関東中央病院・放射線科にて胸椎の放射線治療。

同年4月 左肺の転移腫瘍については、手術を岡山大・呼吸器外科に依頼
      →同大放射線科によるラジオ波焼灼術を奨められ、お願いすることに。

     ちなみに、肺のラジオ波治療は保険適用外。術後の合併症でひどい気胸に。
     時間はかかったものの自然治癒。

同年8月 腎臓に転移がみつかる。岡山大・放射線科にて凍結療法による治療を行う。
      退院前検査で座骨神経の辺りに腫瘍が見つかる。

同年10月 新山手病院にて座骨神経の腫瘍を外科手術。

同年12月 左脚大腿部の腫れと痛みがひかずCT検査を行う。左大腿部と左肺に転移がみつかる。

 

2014年1月 社会保険中央総合病院・整形外科にて手術。筋肉の一部と大腿骨を切除し、金属を入れる。

同年2月 岡山大・放射線科で左肺のラジオ波焼灼術。

同年4月 岡山大での造影CT検査で、肺に多発転移、座骨神経に再発、膵臓にも新たな腫瘍がみつかる。
      先生方とも相談し、パゾパニブを服用しての全身治療をスタート。
      600mgからスタートし、白血球の数値が急降下したため、すぐに400mgに減薬。

同年6月末 CTの結果、肺の腫瘍は見えなくなる、座骨神経、膵臓の腫瘍は変化なし。
        パゾは良い働きをしてくれた模様。ただし、手術をした左脚の関節激痛、味覚障害などの
        副作用でQOLはかなりダウン。

同年7月 息苦しさを覚え、病院へ。急性心不全の診断。パゾ即服用中止。
      そのまま新山手病院に一ヶ月入院。
      その間に、座骨神経に再発していた腫瘍に対し、放射線治療を行う。
      退院後も引き続き外来で放射線治療。9月中旬治療終了。

 

現在は、心臓のこともありできる治療はなく、経過観察中。

効いていた薬(パゾパニブ)をやめたことによるリバウンドの不安は抱えつつも、薬にともなう副作用があまりにきつかったため、ちょっとホッとしているところもあり。パゾパニブが私の、特に肺の細かい腫瘍に有効なことは分かったので、量を減らして心臓への負担を減らすなど、使い方の工夫ができないものかを思案中。次回のCT結果次第で先生に相談してみる予定。

以上