私たちキュアサルコーマは、肉腫、なかでも治療法の確立が遅れている成人軟部肉腫の、患者・家族を支援するための特定非営利活動法人です。 日本国内での肉腫の年間発症数は5千~8千人といわれ、うち小児肉腫や骨肉種などを除き、胸部・腹部に好発する成人軟部肉腫は、過半を占めるといわれています。成人軟部肉腫は化学療法や放射線治療に抵抗性で、切除後も再発を繰り返し、最終的には肺、肝、腹膜などに転移して、予後が悪いことの多い疾患です。そのため、患者は戸惑いや不安、失望を感じ、周囲に同じ病気の人がいないことから、孤独で心細くなっている方も少なくありません。外科的治療以外に標準的治療法と呼べるものがなく、患者やその家族、治療に携わる医師など、新治療法の開発を求める社会的要望は極めて強いといえます。また、再発を繰り返す症例が多いことから、継続的な治療が必要となり、医療費の高額な自己負担が患者やその家族に重くのしかかるため、精神的なダメージも大きく、将来の生活設計を立てるうえでも課題が多く存在しています。 私たちキュアサルコーマは、成人軟部肉腫の患者一人ひとりの不安を緩和あるいは取り除き、豊かな生活や人間としての喜びを感じられる生き方の実現に寄与することを目的としています。そのためには、新治療法実現など治療環境改善への周囲の理解、支援協力も必要ですが、やはり不安を抱えて日々過ごしている患者同士の、情報の共有・交流促進が非常に重要と考えています。同じ病気の者同士が、悩みや不安について、あるいはそれらをどのように克服し、日々過ごしているかについて、実際に集い、意見交換や相互アドバイスをすることによって、自分だけではない、皆も頑張っているのだという勇気をもらい、自身の人生に少しでも前向きになって、治療に臨めるようになります。そして励みにしながら現在の生活を少しでも楽しむと同時に、自身の出来る範囲で現実の問題解決に参画し、それがそのまま全体の幸福につながる仕組み作りとなることが期待されます。そういった支援活動・普及活動を通じて、成人軟部肉腫の患者はもとより、他の難病で苦心されている方々、ひいては豊かで多様な社会の創造に貢献することが、私たちキュアサルコーマの目的です。 |