2016年12月2日の第1回日本肉腫学会・日本臨床肉腫学会合同年次総会の2日目のプログラムが、無事終了しました。10年前から医師と患者家族が、共同で作ってきたものが、やっと学会という形になりました。希少がんである成人軟部肉腫の領域で、ゲノム解析、基礎医学、病理診断、局所制御治療、外科的治療、薬物治療、臨床試験、サバイバーシップと、内容の濃いプログラムで、アメリカから参加の3名の先生方の講演もありました。
患者家族シンポジウムでは、悪性腫瘍における免疫チェックポイント阻害剤の現状と未来、GIST治療の現況と今後の課題を、患者家族にわかりやすく講演いただきました。
ポスターセッションでは、先生達の発表の後にキュアサルコーマとGistersの患者会の発表の時間も儲けていただきました。
1日目の夜の100名を超える懇親会は、私達患者家族と先生方と、ほぼ同数集まり、親密な交流ができました。
あっと言う間の2日間でしたが、受付、設営、司会、照明も患者家族が担当し、手作り満載でした。学会の評議員には、8名の患者家族も入っています。…
閉会のごあいさつで、このくらいの規模の学会がちょうどいい、同時刻に複数のセッションがあるより、皆んなが同じセッションを聞くスタイルの方がいいと発言されていました。病理医、皮膚科医、産婦人科医、血液腫瘍科医、腫瘍内科医、放射線科医、消化器内科医、外科医、呼吸器外科医、泌尿器科医、移植外科医、小児科医と様々な領域の先生たちが集まったのですが、自分とは違う専門領域の話が聞ける機会が、ほとんどないそうで、チーム医療が必須の肉腫治療については、素晴らしい学会だったと思います。
2日目の午後は、場所を変えて、患者家族だけの患者交流会を開催し、北海道から九州まで50名近く集まりました。皆さんの治療経過を含めた自己紹介を聞いていると、目頭が熱くなることもしばしばありました。代表して2名の患者さんに、プロジェクターを使って治療歴の発表をしていただきました。抗がん剤の副作用、最新の治験の情報、家族との関係、患者会での他の患者さんとの繋がりなど、お話ししていただきました。
今まで患者会を続けてきて良かったと、本当に思えた瞬間でした。しかし、成人軟部肉腫患者は、年間3000〜5000人が新たに罹患します。まだ私達と接点を持つことができず、途中で治療をあきらめざるをえない患者さんがまだまだ多数おられることも事実です。保険適用のお薬が、少し増えてきましたが、まだまだ完治できる病気ではありません。やるべきことがたくさんあると実感しました。
次のステップに向かい、皆んなで協力しながら、頑張りたいと思います。