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日米インターナショナル・サルコーマ・ワークショップに参加して

報告文

 12月4日、5日とハワイ・ホノルルで開催された「肉腫の研究と治療に対する日米国際ワークショップ」に、成人軟部肉腫患者と家族の会、NPO法人キュアサルコーマから私を含め5名が参加いたしました。日本肉腫学会のキックオフを兼ねていることもあり、今後の期待が膨らむスタートでした。

日頃、日本でお世話になっている先生たちの英語によるプレゼンテーションは、非常に新鮮に感じました。軟部肉腫の骨転移におけるパゾパニブとデノスマブのコンビネーション治療や凍結療法の話なども今回初めて聞かせていただきました。

アメリカのDr.Brohlによるユーイング肉腫の全ゲノム解析は、今まで聞いたことがなかった分野だけに非常に難解でした。アメリカでは、平滑筋肉腫よりも脂肪肉腫の方が、患者数が多かったり、日本の粒子線治療が進んでいることだったり、日米の違いも随所に感じられました。

日本の高橋先生たちのグループの方が、患者が集中しているので、それぞれの発表の治療の症例数が多く、外科治療、局所治療だけでなく、保険適用となったパゾパニブに関しても、アメリカの先生の報告と比較してみても遜色ない結果が得られていると実感できました。ただ、アメリカの治療方法も相対的には、日本と状況はあまり変わらないような印象を受けましたが、化学療法に関しては、いろいろな臨床治験がなされていました。

今後、このような肉腫の研究と治療についての国際間での議論を深めていただき、患者にとってベストな治療法が確立されていくことを熱望しています。私たち患者会も、肉腫治療の発展に寄与できるよう今後も活動していく所存です。 

2014年12月21日

NPO法人キュアサルコーマ

理事長 大西 啓之

◆キュアサルコーマ活動紹介ポスターセッション資料
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