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「ハラヴェン」、国際P3試験で奏効期間延長を確認

エーザイは1日、自社創製の抗がん剤「ハラヴェン」について、進行または再発の悪性軟部肉腫を対象とした臨床第3相試験(309試験)のうち、奏効期間の解析結果などが7月末に神戸市で開かれた日本臨床腫瘍学会で報告されたと発表した。
 309試験ではダカルバジンを対照薬としてハラヴェンの有効性、安全性を評価。奏効期間の解析は、平滑筋肉腫または脂肪肉腫を対象に行われた。奏効期間(中央値)はダカルバジン投与群で4.2ヶ月だったのに対し、ハラヴェン群では12.5ヶ月となり、有意な延長が見られた。
 また、脂肪肉腫症例を対象に、脱分化型脂肪肉腫と粘液・円形細胞型混合脂肪肉腫、多形型脂肪肉腫の3つに亜種分類して全生存期間(OS)を追加解析した結果では、ハラヴェン群でOSの延長傾向を認めたという。

ハラヴェンの「皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑」など周知

厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課は3月15日、医薬品・医療機器等安全性情報・第331号をまとめた。エリブリンメシル酸塩(エーザイ「ハラヴェン」)の「重大な副作用」の項に、「皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑」を追記したことを周知した。

 同剤は直近約3年9ヶ月の間に、因果関係が否定できない副作用報告が、皮膚粘膜眼症候群で2例(死亡例なし)あった。推定使用患者数は約8000人。60代女性の症例では、1回目投与後、ざ瘡様皮疹が現れ、投与中止7日後に体幹部、両脇窩の発疹があり、「皮膚粘膜眼症候群に矛盾ない所見」とされた。中止12日後には同症状は軽快した。多形紅斑の副作用報告は0例だが、海外報告などに基づき同症状を追記した。

 エソメプラゾールマグネシウム水和物(アストラゼネガ「ネキシウム」)の「横紋筋融解症」もあらためて周知。同剤と同症状の因果関係が否定できない症例が6例(死亡例なし)あったことを受け、使用上の注意が改定された。

 このほかエンテカビル水和物(ブリストル・マイヤーズ「バラクルード」)の「肝機能障害」、メチルフェニデート塩酸塩(ノバルティス ファーマ「リタリン」、ヤンセンファーマ「コンサータ」)の「肝不全、肝機能障害」も使用上の注意の改訂内容を再度周知した。

エリブリン(ハラヴェン)が悪性軟部腫瘍に対して保険適用に

エーザイ株式会社は、2016年2月29日、抗がん剤「ハラヴェン®」 (一般名 エリブリンメシル酸塩)について、日本において新たに「悪性軟部腫瘍」の効能・効果の承認を取得しました。「ハラヴェン」は、進行または再発の悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫または平滑筋肉腫)を対象とした臨床第Ⅲ相試験において、全生存期間の有意な延長を示した唯一の薬剤です。

https://www.eisai.co.jp/news/news201610.html

小児がんや骨軟部の腫瘍に保険適用 粒子線治療、4月から

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は20日、がん粒子線治療のうち小児がんの陽子線治療と、手術が難しく骨や筋肉などにできる骨軟部腫瘍の重粒子線治療に公的医療保険を適用すると決めた。交通事故などで髄液が漏れて頭痛が起きる症状の治療法「ブラッドパッチ」も適用を認めた。いずれも4月から実施。
 粒子線治療は、水素の原子核である陽子などを加速させた粒子線を照射し、がん細胞をたたく方法。先進医療に指定され、関連して必要な検査代や入院費だけに保険が適用されていた。自費だと300万円前後かかり、保険適用で患者の負担は軽くなる。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000109281.pdf

トラベクテジン掲載記事の要約

アメリカ臨床腫瘍がん学会の雑誌に掲載された記事の要約を掲載します。

 従来の抗がん剤治療が不良だった転移性脂肪肉腫や平滑筋肉腫にトラベクテジンやダカルバジンを使用-その有効性と安全性:第III相無作為多施設臨床試験の結果(ジョージ・D・デミトリ氏他)

 摘要

 目的 この多施設研究は、トラベクテジンとダカルバジンを進行した脂肪肉腫と平滑筋肉腫の患者(事前にアントラサイクリン化合物と少なくとももう1種の全身治療を行っていることが条件)に使用した初の第III相試験です。

 患者と方法 患者は無作為に2対1の割合で選ばれ、トラベクテジンとダカルバジンを3週間に1回静脈注射されました。第一の終了点は全生存期間(OS)、第二の終了点は病勢コントロールである無増悪生存(PFS), 増悪までの期間、奏功率、効果持続期間に加え、安全性や患者から報告のあった病状のスコアも加味されています。 

結果 518人の患者が登録し、無作為にトラベクテジン(345人)とダカルバジン(173人)に割り当てられました。最終的なPFSの分析によると、トラベクテジンは病気の進行や死のリスクがダカルバジンより45%少ないという結果になりましたし(トラベクテジンとダカルバジンのPFSの中間値は4.2対1.5カ月;ハザード比0.55; P < .001)、すべての事前に計画されていたサブグループ分析でも有効性が観察されました。OSの中間分析では(64%統計分析済み)、死のリスクがトラベクテジンでは13%少なくなっています。(トラベクテジンとダカルバジンのOSの中間値は12.4対12.9カ月;ハザード比0.87; P = .37) 安全性では、どちらもそれぞれの特性毒性と一致した結果で、もっとも一般的なグレード3から4の薬物副作用は骨髄抑制とトラベクテジンの注射によるトランスアミナーゼの一過性上昇でした。 

結論  過去の抗がん剤治療での失敗を経験してきた進行した脂肪肉腫や平滑筋肉腫の患者には、トラベクテジンは従来のダカルバジンの比べて有効な病勢コントロール力があることを示しています。進行した肉腫にとって病勢をコントロールすることが医学的に重要な最終点であることから、この研究はトラベクテジンをこれらの悪性腫瘍に使用する治療を支持する結果となっています