家アイコン 肉腫の標的遺伝子療法を推進する会「キュアサルコーマ」> 治験について




治験(治療試験)とは


新しい治療法、薬剤を世に出すためには安全性と効果を確認しなければなりません。

そのための試験を、治験(治療試験)または、臨床試験といいます。

一般的にフェーズ1〜3の三相からなり、その内容は以下のようになっています。



第一相試験:フェーズ1

治療または薬剤の副作用を確認して、安全に使用できる用量と方法を定める段階

    
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第二相試験:フェーズ2

フェーズ1で定めた用量と方法を少数の人に試して、その治療効果を調べる段階

      

第三相試験:フェーズ3

今使われている治療法や薬剤と比較して、多数の人に対する効果を確認する段階






標的遺伝子療法において想定される治験


高橋克仁グループが、研究・開発中である「
標的遺伝子療法」の治験では

抗がん剤などの治験と比べ、投与における副作用はとても少ないと予想されています。

そのためフェーズ1のみでは、毒性なく投与できる最大量を定めるのが難しく

第一相にあたる治験を「フェーズ1+フェーズ2a」という形で行います。

※ ごく少人数の前期フェーズ2を2a、それより人数の多い後期のものを2bと呼ぶ



▼ フェーズ1

最初に数段階の用量を設定、それぞれの用量を少ない順に2、3人の患者に投与。

その後、副作用を警戒しながら増量していき、適当な用量を決定します。



▼ フェーズ2a

引き続き、10〜15人の患者(フェーズ1の患者2、3人も含む)に対して

フェーズ1で決定した用量と投与方法で、治療効果を確かめる試験を行います。


※ 偽薬を使った「randamized study」は、この段階の治験では行いません。






治験までのステップとその費用


上で述べた、フェーズ1+2aの早期実現こそが、当面の最大目標です。

そのために必要なステップは、大きく3つあります。



▼ ステップ1

治験薬であるウイルスベクター「D12.CALP△RR」の製造。


治験に使用するウイルスは、人体への投与が許容される純度の高いもので

厚労省や米国のFDAが定める安全性基準に合致することが要求されます。


《ウイルスの製造には二つの工程があります》


A)ウイルスを生産するために必要な「細胞」を大量に準備、それを保存する。

費用:2000〜3000万円



B)Aの細胞から純度の高いウイルスを生産、大量の臨床試験用ロットを製造する。

費用:3000〜4000万円


※ どちらの工程も安全性試験をパスする必要があります。



▼ ステップ2

治験実施体制の整備(病院や担当医師の選定・実施計画書の作成 etc)


専門企業のコンサルタントを得て、治験実施計画書を作成。

検査費用や入院費用など、治験に要するのすべての患者費用を準備。

費用:1500万円 程度

※ フェーズ1+フェーズ2aでの患者数10〜15人を想定。



▼ ステップ3

治験実施施設と厚労省による、治験の妥当性、倫理性、安全性の審査。






高橋克仁グループが、平成18年度の「厚生労働科学研究費補助金」と

平成17年度の科学技術振興機構「競争的研究資金」の獲得に成功したことで

標的遺伝子療法の治験への道は《あと1歩》のところまできました。



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