肉腫の標的遺伝子療法を推進する会「キュアサルコーマ」> 標的遺伝子療法
肉腫の標的遺伝子療法とは
皆さんは「遺伝子療法」と聞いたときに、どのような治療を思い浮かべますか?
おそらくは《人体の遺伝子構造を組み替える》直接的な治療だと思います。
遺伝子療法には《遺伝子を組み替えたものを外部から導入して組織に働かせる》
間接的な働かせ方で、治療の効果をあげるものもあります。
高橋克仁グループが研究・開発する標的遺伝子療法は、その後者にあたるもので
遺伝子を組み替えた 1型 単純ヘルペスウイルス「D12.CALP△RR」を
体内で働かせることで、肉腫細胞のみを破壊させるという新しい治療法です。
そもそもウイルスには《増殖する細胞を攻撃する》という特有の性質があり
現在、ウイルスを使った治療の研究は、すでに様々な医療機関で行われています。
高橋克仁グループは、ここに1歩進んだ「細胞標的化」の概念を取り入れて
カルポニンという結合蛋白が含まれる肉腫(カルポニン陽性肉腫)でのみ働く
ウイルスの標的化に成功しました。正常な組織には作用しないウイルス治療です。
高橋克仁グループの研究概念
平滑筋内と、多くの肉腫内に(一定の割合で)発現している「カルポニン」
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ウイルスには《増殖する細胞を攻撃する》という、そもそもの性質がある。
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通常、平滑筋は増殖しない。カルポニンが含まれ、増殖しているのは肉腫細胞。
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ウイルスが攻撃する標的を「カルポニン」のみに絞ることができたら・・・
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カルポニンが含まれていて増殖する細胞。すなわち肉腫細胞を攻撃するはず。
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その概念のもと作られたのが、ウイルスベクター「D12.CALP△RR」なのです。
図で見る標的遺伝子療法
ここでは、上で述べた D12.CALP△RR がどのようにして作成されるものなのか?
そして標的遺伝子療法とは D12.CALP△RR を使ったどのような治療法なのか?
以下の2つの図で説明します(それぞれの図をクリックすると拡大表示されます)
人の平滑筋肉腫を使ったマウス実験
D12.CALP△RR を使った標的遺伝子療法の実験は、数多く行われていますが
その中から D12.CALP△RR の治療効果がはっきりと見てわかる
人の平滑筋肉腫を使ったマウス実験の写真を提供していただきました。
マウス11匹に治療をした結果:9匹の肉腫が完全に消え、250日以上の実験日程を終えることに成功
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